【2024年6月】関西で開催中の電車なぞ一覧

『リアル脱出ゲーム公式過去問題集』レビュー/公演なぞの基本をマスター

公演なぞ

リアル脱出ゲームって知っていますか?

このブログを読んでいただいている皆さんには、もはや愚問ですね。
実際に部屋に閉じ込められて、謎を解いて脱出するゲーム。
公式には「リアル脱出・・ゲーム」と名乗ることができるのはSCRAPさんが制作したものだけです。

割と小さなホールで開催していた頃から知っているので、すごく思い入れがあるのですが、こんなに大きな会社になり、さらに謎解き自体がこれほどの社会現象になるとは思いませんでした。
本当に嬉しい限りです。

ただ、最近は少し東京に寄りすぎている気もするので、発祥地である関西のほうにも力を入れていただければ…と誠に勝手ながらここで要望しておきます。

さて、そんな長い歴史をもつ「リアル脱出ゲーム」には、公式過去問題集が2冊出版されています。
今回ご紹介するのは、2013年に出版された古いほうの1冊。

この本は、
・初めて公演型の謎解きに参加する人
・久しぶりに参加する人
・謎解き人気の歴史が始まった初期の雰囲気を感じたい人
・実際にこの公演に参加していて懐かしさに浸りたい人
にオススメです。

内容(ややネタバレあり?)

この公式過去問題集には、過去に公演された4作品が収められています。
謎解きに必要なシートとかパズルとかが付録に付いており、それぞれの作品を紙面で追体験できる構成です。

物を使ったり移動したりすることはできないので、完全再現とまではいきませんが、「リアル脱出ゲーム」ってこんな感じなんだなというのがなんとなく分かると思います。

「リアル脱出ゲーム」初めてで他の参加者の足を引っ張りたくない人、「リアル脱出ゲーム」ってそもそも面白いの?と思っている人には最適です。
1回の公演で3,000〜4,000円取られることを考えたら、4つの公演が体験できて1,600円+税はお得すぎます。

また、「リアル脱出ゲーム」には、いくつかの典型的なオトシ方というのがあるので、脱出経験者でも新しい公演に行く前にやっておくと、大事なポイントを思い出すことができて良いかもしれません。

ここからは、どんな作品が収録されているのか、簡単にご紹介したいと思います。

ある飛行機からの脱出(2010年 @HEP HALL)

大阪・梅田にある商業施設「HEP FIVE」の最上階にあるホールで行われた作品。
HEP HALLシリーズは名作ぞろいで大好きでした。
あの有名な「人狼村からの脱出」もこのシリーズですね。
筆者も初めて参加した公演が、HEP HALLでの「マグノリア銀行からの脱出」で、すごく思い入れがある場所です。
久しぶりにまたHEP HALLでやってくれないかな。

さて、この作品のストーリーは、「飛行機に乗っていたあなたは、原因不明の飛行機トラブルに遭遇し、1時間以内に脱出しなければならない」というもの。
内容は詳しく書きませんが、どういう点でリアル脱出ゲーム対策になるのかというポイントをまとめていきたいと思います。

この作品に関していうとずばり、
各参加者に役割が与えられている
ということ。

5人1組のグループで、通信士、医師、スパイ、謎の人物のうちどれかの役割を与えられます。
その役割によって、できることとできないことがあるので、1人も欠けてはいけません。
チーム全員の協力が不可欠となり、何もしなくても他の人がみんな解いてしまった、ということがないのは良いことだと思います。

このパターンの脱出は最近の公演でもいくつかあるので、この作品で触れておきましょう。

ある使徒からの脱出(2011年 @富士急ハイランド)

リアル脱出ゲーム初のコラボ作品です。
今となっては様々にコラボしまくっているSCRAPですが、原点はここにあったんですね。

アニメ映画「エヴァンゲリオン」とのコラボでした。
この作品は、夜の富士急ハイランドを貸し切って行われた公演で、遊園地を歩きながら謎を探し解いていく大規模なイベントでした。
本では歩き回れないので、面白さは半減ですが、謎はなかなか凝っています。

今後の対策になりそうな、この作品の特徴は、
周遊型
脱出成功と思わせておいて落とし穴がある
という点でしょうか。

周遊型で時間制限がある場合、時間のロスは許されません。
謎をサクサク解く練習は欠かせませんね。

また、リアル脱出ゲームの謎には、無意味な文字がありません。
解き終わった謎の中で使われていない情報が残っていれば、必ず最後に必要になります。
業界用語で言うと「まだ味がする」の状態ですね。
脱出成功がみえてきたら、ぬか喜びしない為にも、今一度使ってない情報がないか見直すことをお忘れなく。

Escape from the Mysterious Cathedral(2012年 @シンガポール)

ここで海外公演の作品をはさんできましたね。
日本語訳すると「不思議な大聖堂からの脱出」といったところでしょうか。

この作品は脱出ゲームとしてはベタな内容なので、簡単すぎないためにも英語を使った海外公演をあえて収録したのでしょうか。
ひねりがないので、これを最初にやってもいいかもしれません。
謎の完成度はさすがリアル脱出ゲームって思います。

月面基地からの脱出(2012年 @Zepp全国ツアー)

漫画「宇宙兄弟」とのコラボです。しかも全国ツアー。
原作に忠実、そして大きなストーリー性をもった作品です。
隅から隅まで無駄なことは何一つなく、壮大な物語を編み上げていく、リアル脱出ゲームの名にふさわしい名作です。

この作品で学びたい対策は、
オープニング映像はすごく重要
最後に究極の選択

非日常的な設定になればなるほど、傍観者のような立場で物事を考えがちですが、実際にその世界で戦っている登場人物の1人になりきれないと脱出はできません。

リアル脱出ゲームを最大限に楽しむためのコツは、この作品で体得できるはずです。
あと、この作品は謎のクオリティーが高すぎます。
解いてて何回も感動します。

感想

本書は、本であることを前提につくられた脱出本ではなく、過去の公演を本で再現したものです。
本で公演が再現できるのかと訝っていましたが、雰囲気も含め、なかなか良く再現されているなと思いました。
予習や対策研究としては、すごくコスパが良い本でオススメです。

過去の公演は、誰かと一緒に行っても別々のグループに分けられ、初対面の方ばかりで協力して謎を解いていました。
初参加の際、リアル脱出ゲーム初めてグループ10人で惜しいところまでいき、すごく達成感&一体感&感動があったことを思い出しました。

現在の公演では、一緒に行った人たち同士を組み合わせてグループを作るので、内輪で解決しようとしてなかなか全体に情報が行き渡らなかったり、初対面の人と喋らないといけないという強制感がないため1時間で仲良くなるまでコミュニケーションを取り合うことも減り、昔ほど没頭したり感動を覚えることが少なくなりました。(あくまで個人の感想です)

どちらも一長一短だと思いますが、この本に収録されている2010〜2012年の作品を追体験し、なんか懐かしい気持ちと少し虚しい気持ちになりました。

最後に

リアル脱出ゲームはどんどん進化していますが、基本的な部分、骨格はほとんど変わっていません。
それは、その骨格が偉大なる大発明であったからに他なりませんが、様々に肉付けが施された現在の作品では、その骨格部分が見えにくくなり、対策がしづらくなっているのかもしれません。
だからこそ、骨格が露わな初期の作品には対策に有用なポイントが詰まっていると思います。
今から見返しても傑作ぞろいでまったく古さは感じられません。

公演型作品の脱出成功への近道が感じられる、とても良い本でした。

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